Guy Fawkes

本日11月5日は、いわゆるGuy Fawkes(ガイ・フォークス)の日。近くの学校とかの校庭で大きなかがり火を焚き、ガイ人形と呼ばれる人形を燃やして花火を打ち上げるという、、、変な行事。イギリスでは一般家庭で花火を打ち上げることは禁止されていますが、この日だけは例外らしい。ちなみに、英国ではGuy Fawkesは10月31日のHalloweenよりよっぽど一般的です。

このGuy Fawkes、何度となく説明を読みましたが、人に説明できるほどの理解がありませんでした。(実はHalloweenも未だによく理解してないけど。)ということで今回はインターネットをあさって勉強しました。事の顛末はこんな感じ。要は貴族の我侭を発端とした、宗教論争の末の出来事か、と。それからV for Vendettaのモチーフにもなっています。

今から400年前。カトリックが中心だった英国にヘンリー8世(この人は当家の住んでいるあたりに非常にゆかりが深い)がプロテスタントの教会を開きました。それ自体にもいろいろ背景はあるのでしょうが、ここでは割愛。んで、この人が一番最初の奥さんであるキャサリン(しかしこの人も実は元はといえば彼のお兄さんの奥さん)との離婚をローマ法王が認めなかったことが事の発端。怒ったヘンリー8世カンタベリー大司教イギリス国教会の総本山)に離婚を認めさせたんですが、これにさらに怒ったローマ法王がこの2人を破門しました。これにさらに怒ったヘンリー8世はキャサリンの相続権を廃し、カトリック教徒を弾圧し始めた、、、このあたりが第一幕。ちなみにヘンリー8世は侍女のアン・ブリーンと結婚しています。

この後、ヘンリー8世の死後、一人を経て(ヘンリー8世の唯一の息子)その地位を相続したのがメアリー女王、かのキャサリンの娘。この人はカトリックだったため、今度は徹底的にプロテスタントを弾圧しました。これがかの有名は「ブラッディ・メアリー」と呼ばれるメアリー女王。そしてこの人の後に女王になったのが、ヘンリー8世と2番目の奥さんのアン・ブリーンとの子供であるエリザベス1世。この人は、自分の後をヘンリー8世のお姉さんの息子の娘(スコットランド女王メアリー)の息子、ジェームス君に後を譲ります。(こういうと簡単だが、実は自分が処刑したメアリーの息子に席を譲ったわけです)ここまでが第二幕。

ここで休憩すると、ヘンリー8世は自分の息子に席を譲り、次に離婚した奥さんとの娘がこれを継ぎ、その次を2番目の奥さんとの娘が継ぎ、その次は自分の姉の曾孫が子供が継いだ、ということになります。フクザツ。

このあたりから物語は佳境に。このジェームス君、母親(スコットランド女王メアリー)と同じようにカトリック擁護だろうと思われていましたが、結局カトリック弾圧をします。ここでこのジェームス王を暗殺しようと企てられたのが国会議事堂爆破事件(1605年)(ちなみに国会議事堂というのはWestminster宮殿です)であり、この時、この爆発物点火役だったのがかのGuy Fawkesでありました。この爆破事件は未遂に終わりましたが、この日が11月5日だったようです。まあ、かなり簡単にしてしまいましたが、ようなこんな背景。まあ、なんつうか、、、王が自分の離婚が認められないが故の我侭から発展した宗教論争。ちょっと現代の特に日本人には理解できません。(ただ、最初の奥さんとの間に男子がもうけられなかったヘンリー8世もいろいろ事情があったとは思いますが)

Guy Fawkes Dayでは、このGuy人形を街中を引きずり回し、かがり火で焼き、花火を上げる、といったことをするのですが、これはまさにこのGuy Fawkesの処刑を正当化したもの。我々は、またおそらく現在のイギリス人もそこに大きな意味を見出していませんが、考えてみればトンでもないことをしているわけです。(ちなみに今日、本当に人形を引きずり回してるかどうかは不明。少なくとも近所ではやってない)

現在夕方5時。5時30分から近所の学校でかがり火に点火がされます。次男が「何時に出かけるの?」と寄ってきました。うーん、いろいろ背景を知っちゃうと、あんまり行きたくないなあ。。。