Barcelona-Paris出張

朝5時30分。フライト時間を見て凍りついた。7時25分発。Valet Parkingの予約は6時15分。車を渡してから1時間10分しかない。気がつかなかった、、、もっと早い時間に予約すべきだった。例のLHRのテロ騒ぎの後、セキュリティはかなり厳しくなっている。まずい、乗り遅れるかもしれない、、、あのイタリアの悪夢が蘇る。。。

6時10分空港到着。割とすぐValet Parkingのおじさんが来てくれる。よし、ここで5分稼いだ。すぐにSelf Check-inのマシンへ駆けよってチェックインを済ます。さて、今度は荷物をfast dropへ。。。。!!!なんと長蛇の列。最後尾へ並ぼうと列を追う、、、なかなか最後尾が見えない。ああ、軽く100mを超えている!時間は6時25分、フライトまで1時間しかない。ああ、これで万事休すか、、、どうする、どうする?見る見るうちに後ろに人が並んでいく。これは、、、遅れそうになっているのは私だけではないだろう。

後ろのおじさんが空港係員を捕まえて文句を言い出す「俺のフライトは7時半なんだ、どうすればいいんだ、どこがfast dropなんだ!」このおじさんのフライト、ほとんど同じか、、、係員は「とにかく落ち着いてください。後20分経って動かなかったら教えてください。今、別なカウンターを開けますから。」よし、後20分、後20分ね。。。でも、その後の出国手続きがあるではないか。あそこをその後の20分で抜けられるのか。ああ、また乗り遅れるのか、あのイタリアの悪夢。時刻は6時35分。

そうこうしているうちにもどんどん列は長くなる。通りがかりのビジネスマンが聞く「これってfast drop?」聞かれたビジネスウーマンが答える「VERY fast drop」。ガイジンはこういう時の洒落がうまい。時刻は6時40分。フライトの時刻まであと45分しかない。

背の高いグランドホステスっぽいお姉さんが「チェックインは終わった?チェックインは終わった?チェックインは終わった?」と一人一人に聞きながら歩いてくる。そして私の前で「私についてきてください。」やった、別のカウンターが開いた!ツアー旅行の添乗員よろしく手を上げながら歩き出すお姉さんに真っ先について歩く。時刻は6時45分。そして着いた先は国内線カウンター。ここで荷物を預かってくれるらしい。待つこと、10分程度。やっと私の番になり荷物を預け出国ゲートに走る!フライトの時刻まで35分。ゲートが閉まるまで後10分しかない。

出国ゲートは思ったほど混んでいないがおじさんがもめていた。「何でこのかばんを持って入ってはいけないんだ。私のフライト時間まではもうすぐなんだ。」何を言われても頑として聞かない係員。おじさんは食い下がる。みると、少々大きめのバッグ、、、しかし決して巨大ではない。以前なら普通に持ち込んでいた大きさだ。イタリアの悪夢が蘇る、、、あの時、私もこのようにもめていたのだ。ゲートが閉まるまで10分を切っている。おじさん、悪いが先に行くよ。だめなものはだめなんだ。

出国ゲートの列は思ったよりスムーズに動いている。しかし目の前に並んでいるインド人風の3人。動作が極端に遅い。その前の人が進んでも進まない。ああ、勘弁してくれ、俺は急ぐんだ!先に行ってくれ!彼らが進んだからといって実は何も解決しないのだが、気ばかりあせる。ああ、万事休すか。。。時刻は7時ちょうど、ゲートが閉まるまで後5分。

途中で列が二つに分かれ、二つの金属探知ゲートに列がつながっているのだが、人間と言うのは面白いもので、なぜか手前の方のゲートに人が集中している。誰も先にある空いている方に行かないのだ。もう少し、もう少し詰めてくれ。今、空いている方の列に並べば間に合う!頼む、インド人よ。動いてくれ!ふとみると、インド人の2−3人前にとても美人なお姉さんが並んでいる。うーむ、美人だ。これだけあせっていてもそういうことだけは見逃さない自分にあきれる。まあ、いいか。ゲートが閉まるまで後2分。

インド人はやはり一般人だった。律儀にも混んでいる方の列に並び、一気に私の前の視界が開ける。やった、これなら間に合う、と空いている方のゲートに。上着も靴も脱いでさあ、調べて!私は何も持ってないよ!とゲートをくぐる。ふと見ると別の列に並んでいる先ほどの美人の前にはまだ10人程いる。ふふふ、やった、ここで5分は稼いだ。。。7時5分。ゲートの閉まる時間。しかしまだ大丈夫なはず、まだいける!

走る走る走る。ゲートを目指して走る。よりによって一番遠いゲートだ。ああ、早朝から走るお父さん。だから出張嫌いなんだ。またイタリアの悪夢が蘇る。ここまで来て乗り遅れるか。バックも預けたし、バッグだけ飛んでいってしまうのか。まさか待たないことはないよな、でも待たないで飛んでいってしまう話も聞くし。。。とやっとゲートに到着。7時10分。最後尾に着いたが、まだ搭乗中。やった!間に合った!間に合ったのだ!

と、ここでとんでもないことに気がつく。

国内線のカウンターにバルセロナ行きの荷物を預けたのはたったの20分弱前の話。ゲートで並んだものの、私自身、走ってここまできている。果たして、荷物は私についてきているのか。。。ありえない、、、このヒースロー空港で、このロストバッゲージのメッカでたった20分前に通常とは違う場所に預けた荷物が、この一番遠いゲートにある飛行機まで届くはずがない。。。ああ、参った。まったくテロリストの野郎、余計なことをしやがって。荷物がなくなるじゃないか。でも、なくなったら新しいカバンを買う口実になるな、と余計な事を考える自分が情けない。

フライトはきわめて順調、何事もなくバルセロナに到着。しかし通常なら簡単に通れる入国審査もかなり時間がかかっている。30分近くかかってやっと入国、荷物が出てくるベルトコンベアに向かう。真っ先に探したのは自分の荷物ではなく、British Airwayのカウンター。そうか、ここで申請か。。。

と、、その時!見たことのあるカバンがベルトコンベアに乗ってやってきた!そんな、、、ヒースローよ、疑ってすまん、君にもそんなに正確なオペレーションが出来たんだね、誤解してたよ、きみにもちゃんとできるんだ。しかし荷物を手にしてからもまだ疑っている。一応恐る恐る名札を確認。ああ、本当だ、、、俺のだ。。。


長くなりました。しかし本当に心臓に悪い出張の始まりでした。飛行機に乗るときには余裕を持って乗りましょう。ちなみに、ヒースロー空港では金曜日から荷物制限が緩和され、45cmx56cmx25cmの荷物が持ち込めるようになりました。ただし、液体とかはセキュリティのバリアの外からは持ち込めないようです。